2026/09/07 01:55
MATSUDA 10601H徹底解説

MATSUDA(マツダ)は、松田光弘が1989年に始めた日本製アイウェアブランドです。精密なメタルワークと歴史的な意匠を組み合わせたフレームで知られています。10601Hは、1995年に発表されたデザインを受け継ぐHeritage Collectionのラウンドサングラスです。
45mmの小さな丸レンズ、27mmの広いブリッジ、リムを囲む別体のアーチ、M+N彫金、セミフラットレンズ。一般的な細身のラウンドとは、正面の密度も横顔の立体感も異なります。この記事では各部を接写で確認しながら、なぜ数あるメタルフレームの中から10601Hを選ぶ価値があるのかを掘り下げます。
◎10601Hとは?|19世紀末、1995年、現在をつなぐモデル

MATSUDA公式は、10601Hの着想源を19世紀末に流行したpince-nez(パンスネ)と説明しています。
パンスネは、テンプルを耳に掛けず、鼻を挟んで支える鼻眼鏡です。
10601Hは、その古い眼鏡をそのまま再現した形ではありません。左右の丸いレンズと鼻まわりへ視線を集める構成を受け継ぎながら、テンプル、調整式の鼻パッド、チタン製フロントを備えたサングラスへ整えています。オリジナルの発表は1995年。現行品はHeritage Collectionとして日本で製造されています。
この年代のつながりが、10601Hの見え方を独特にしています。円形レンズや高く弧を描くブリッジには古典的な雰囲気があり、レンズ外周のメタルパーツとフラットに近いレンズ面には機械的な印象があります。どちらか一方へ寄り切らないため、ヴィンテージ調の服にも、黒を基調にした現代的な服にも合わせられます。
◎フレームサイズ 45□27-145|小さな丸を、広い間隔で掛ける

10601Hのサイズは45□27-145です。レンズ横幅45mm、ブリッジ27mm、テンプル145mmを示します。
45mmはサングラスとしては小ぶりです。一方、27mmのブリッジはしっかり幅があります。二つの円を中央へ寄せず、左右へ離して置くことで、目元だけを小さく囲みながらもフロント全体でバランスが取られています。
この比率は、レンズが眉や頬を大きく覆わないため、表情がフレームの外へ残ります。小さなレンズでもかけやすい理由は、広いブリッジと複雑なメタル構造が輪郭を支えているからです。
◎フロントの構造|一つの円を、何本の線で見せるか
1|高く弧を描くブリッジ
ブリッジは鼻のすぐ上を直線的に結ばず、中央で大きく弧を描きます。両端には小さなコイル状の造形と三角形の抜きがあり、レンズをつなぐ部品そのものが正面の見どころになっています。
2|リムの外側を走る、もう一本のアーチ
レンズを固定する円形リムの外側には、下半分を包むような別のアーチがあります。正面では二重の輪郭として見え、斜めからは前後差が現れます。
一般的なメタルラウンドは、一本の細いリムで円を描きます。10601Hは、その円へ別の線と接続部品を加える設計です。フレームを太くせず、線の本数と間隔で存在感を出しています。
3|セミフラットレンズ
公式仕様はSemi Flat Lenses。強く湾曲したレンズより面が平らに近いため、正面から見た円が明瞭です。光が当たるとレンズ面へすっきりした反射が入り、古典的なブリッジや彫金に現代的な緊張感を加えます。
◎まとめ|ラウンドの完成度を、線と部品で高めた一本
10601Hは、1995年に発表されたMATSUDAのヘリテージモデルです。19世紀末のパンスネを起点に、45mmの丸レンズ、27mmのブリッジ、二重の輪郭、丸い鼻パッド、M+N彫金、セミフラットレンズを一つのフロントへまとめています。
細身のラウンドはほかにもあります。軽いチタンフレームや、きれいなカラーレンズも珍しくありません。それでも10601Hを選ぶ理由は、形、構造、表面、色のすべてが同じ方向を向いているからです。小さな円をどう配置し、どこに線を足し、どの角度で彫金を見せるか。細部まで設計された結果として、コンパクトなのに記憶に残るサングラスになっています。
ラウンドが好きで、次はより深く作りを楽しめる一本が欲しい。あるいは、装飾性は欲しいけれど大きなロゴには頼りたくない。そんな人に、10601Hをおすすめします。
